近年の核家族化に伴い、一人暮らしや高齢者夫婦のみの世帯が増えています。それと同じく急増しているのが、高齢者を狙った悪徳商法です。高齢者の多くは、「お金」「健康」「孤独」という3つの大きな不安を抱えていると言われています。悪徳業者は、これらの不安をあおったり、親切にして信用させるなどの手口で、あなたの大切な財産を狙っているのです。認知症の人が被害に合われることも多く、時にとんでもない被害額がニュースで報道されることもあります。認知症の人の権利擁護に関わってきた私には、このことが本当に許せません。

現実の被害にあっても、「仕方ない...」「馬鹿だったな...」と、泣き寝入りしてしまうケースが後を絶ちません。でも、そもそもは弱者を喰いものにしている悪徳業者が悪いのです。国民生活センターでは「さいふをまもる」秘訣を公開し注意を呼びかけていますが、どうしても防げず被害に遭われた場合は、早めに公的機関や専門家にご相談ください。キーワードは「早めに!」です。

最近多く聞かれるのは、被害者自身が被害を感じていないというケースです。たとえ相手が悪徳業者であったとしても、優しく声をかけてくれて話を聞いてくれたことが嬉しくて、被害を知っても不思議と怒りを感じなかったり、被害を受けたという意識が全く湧き立ってこないということがあるようです。

このような被害者を広げないためにも、家族はもちろん周囲の方々がつながり支え合う関係を築いていくことが必要です。高齢者のみの夫婦や単身世帯など、社会との接点が少ないと思われる方には、どうぞ周囲の方が興味を持ってあげてください。そして、最初はあいさつだけでも良いですから、声をかけてください。

被害者によっては悪徳業者からの仕返しが心配だったり、どのような手続きをとったら良いか分からないということも多いもの。相手は悪徳業者ですから、一筋縄ではいかない場合が多いことは確かです。だからこそ損をしないためにも、対応はとにかく早めに、そして一人で悩まないということが重要なポイントとなります。

当事務所では、クーリング・オフ制度が対象になるかどうかを確認・判断した上で、適用となる場合は、内容証明郵便にて相手方への解約通知を速やかに行います。内容証明郵便とは、その内容と到達を公に証明してもらうことができる、証拠価値の高い「手紙」です。電話や普通郵便、メールなどで意思表示をした場合でも法律効果は生じますが、後になってトラブルが発生した場合、その内容や到達日を客観的に証明することは困難と言えます。クーリング・オフ手続きには、強力な証拠力を有する内容証明郵便の活用がベストな選択なのです。

残念ながらクーリング・オフ制度の適用とならない場合は、解約へのハードルが格段に高くなります。しかしそのような場合であっても、中途解約手続きや契約の取消し・解除など、あなたと一緒に解決の糸口を探します。

クーリング・オフ制度以外にも、内容証明郵便には相手方への申し入れや警告、請求など実に様々な活用方法があります。極端な話、ラブレターに活用してもよいのです。しかし、記載する内容が事実と違ったりでもしたら大変ですね。いったん内容証明郵便を出してしまうと撤回できないため、相手方に有利な証拠を与えてしまうデメリットもありますから、「好きだって言ったじゃないの!」なんてことになりかねません。まあこれはたとえが悪いのですが、要するに、慎重に慎重を期した上で実行することが必要だということです。

内容証明郵便は一発勝負。そして重要なのは、弁護士や行政書士が作成したという肩書きではなく、相手方が妥協せざるを得ない状況に追い込む「内容」なのです。当事務所では、丁寧な調査を通じて相手方との関係や状況を判断し、今活用すべきかどうかを慎重に見極めた上で、あなたとともに活用方針を検討します。


債権とは、債権者(あなた)が、特定の義務者(相手方)に対して一定の給付(金銭等)を請求し、特定の義務者(相手方)からの給付を求めることが法認されている権利のことを言います。こう説明すると何だか難しそうに聞こえますが、要はこういうこと。

これらの場面は全くもってバラバラです。それぞれに頭を抱えている姿を想像することができますが、実はこれら全て共通していることがあります。そう、相手方に「金払え!」と言える権利を有していること...これが債権です。

特に金銭の給付を目的とするものを金銭債権と言います。他にも「物を引き渡して!」とか、「働いてくれ!」とかいうのも、相手に請求できる法的権利があれば債権となります。「イ」にんべんに「責」めると書くので、人を責める権利とも言えますね。ちなみにその反対、請求される側の義務を債務と言います。人から責められうる義務を負っているということです。

相手方が「一切支払わない!」「出るとこ出ろ!」と息巻いているのであれば、これはもう「法律上の争訴」にあたりますので、弁護士や司法書士の出番です。しかし、結果として相手方に支払う能力が無ければ、いくら勝訴判決を得たとしても、結局弁護士費用だけ赤字を増やしちゃった...ということになりかねません。

でも現実の世の中では、「払わなくちゃいけないのは分かっている。でも今はちょっと待って...」というように、支払う意思はあるものの今すぐではどうにもならないとか、あるいは、相手方にのらりくらりと誤魔化し続けられてウンザリ...など、相手方が債務の存在を認めてはいるものの、なかなか債務が履行されないという場合が多く見られます。高齢者の認知能力低下に乗じて、騙して借りた金を返さずにいるパターン...なんてこともあるのです。あなたの相手方はどんなタイプですか?

債権回収の実務における債権の内容は、大抵の場合がお金に関することです。相手のあることですから、必ず回収できるとか、請求額が100%戻ってくるというようなことは申し上げられません。でも、こちらまで息巻いてガンガン相手を追い込み、その結果逃げられでもしたら、結局1円にもならずにガッカリ...という結果になってしまいます。

債権回収を分かり易く言うと、「魚を捕まえる」ようなイメージです。ただ闇雲にカンガン銛を突いても逃げられるだけ。それより綿密な作戦を練り、追い込み漁のごとく相手を追い込んでいくのが効果的です。相手方からすると、いつの間にやら身動きが取れなくなり、観念するしかない状況にしてしまうということです。 この作戦決行には、時にあなた自身の協力を得なければならないこともあります。あなたがこれ以上損をしないためにも、そしてあなたの債権回収を成功へと近づけるためにも、当事務所が責任を持ってサポートします。

事前調査は必ず必要です。この作業を怠ると、最終的に強制執行に至った場合、相手方に「財産がない」など、強制執行が空振りに終わることもあります。しっかりと調査を行い相手の状況を知ることがまず第一歩。今後の回収方針を決める上でも早い時期に調査へ着手することが必要です。当事務所では、あなたからの聞き取りをはじめ、現在あなたが置かれている状況に関する事前調査を重視します。

相手を知らず知らずのうちに追い込んでいくために、債務の承認に関する証拠の収集を行います。行政書士は相手方との交渉ができません(弁護士法72条で禁じられています)。しかし、手紙や内容証明郵便の活用、相手方と接する上でのアドバイスを通じて、成功へと近づくための作戦を、あなたと一緒に練り上げます。駄目で元々という気楽な気持ちでいる方が、肩の力が抜けて良い結果につながるかも知れません。

証拠と環境が整ったら追い込み漁も終盤。ここで一気に勝負をかけます。弁護士が訴訟のプロであるように、行政書士は合意形成のプロです。あなたにとって現実的でベストな着地点を提案します。そして、相手方の債務が確実に履行されるための契約書を作成し、公正証書という合意の結晶へとゴールします。この公正証書には強制執行認諾条項を含みますから、裁判における勝訴判決と同様の強制力を持ち、仮に債務が履行されない場合は裁判を経なくても強制執行が可能です。

当事務所の業務は公正証書の作成で一段落。あとは支払いを待つのみです。ただし、100%確実に支払いがあるかどうかは断言できません。支払いが滞れば強制執行(場合によっては告訴)が待っているので、ここまで辿り着けば支払いのある方が一般的です。しかし、稀に相手方が失踪したり...ということもあるようです。要は100%という状況はないですよ...ということですね。

公正証書とは、内容によっては裁判判決と同等の効力を有することにもなる強力な公文書です。法律の専門家である公証人が法律に従って作成します。行政書士がサポートする悪徳商法解決、債権回収実務のゴールは、公正証書による契約締結であると言っても過言ではありません。しかし、悪徳商法解決や債権回収の流れの中で一番重要なのは、ゴールに向かうまでのプロセスなのです。イメージは追い込み漁ですから、相手方を警戒させてしまうと全てが水の泡となってしまいます。

当事務所は、公正証書というゴールへ向かっていくためのノウハウを活かし、あなたの問題解決をしっかりとサポートします。また、あなたへのきめ細かな報告・相談・意思確認、公証人との打合せ、公正証書作成に関する代理手続き受任など、責任をもってゴールまでの道のりを伴走します。